日本のビジネスシーンでは、取引先や上司に対して、何らかの理由で接しづらいと感じる際に「敷居が高い(しきいがたかい)」という言葉がよく使われます。

この記事では、「敷居が高い(しきいがたかい)」の意味について、例文を交えながら詳しく解説します。言い換えや類語についても触れているので、ぜひ参考にしてください。

「敷居が高い(しきいがたかい)」の意味

「敷居が高い(しきいがたかい)」の基本的な意味

「敷居が高い(しきいがたかい)」は、精神的な負担や抵抗感があって、何かに近づきにくい、もしくは参加しづらいと感じる状態を表す言葉です。元々は、家の敷居をまたぐことに対するためらいを意味していましたが、現代では人間関係や特定の状況において、心理的な壁がある状態を指すことが一般的です。

英語では “difficult to approach”

と表現されます。

「敷居が高い(しきいがたかい)」の具体的な使用例

以下に、「敷居が高い(しきいがたかい)」の具体的な使用例を紹介します。

例文1:前回のプロジェクトで失敗してしまい、もう一度取引先に行くのは敷居が高いです。

英語で意味を確認!

“After failing the previous project, I find it intimidating to visit the client again.”

例文2:過去にトラブルがあった取引先に再度訪問するのは、敷居が高いです。

英語で意味を確認!

“It feels intimidating to visit the client again after the previous trouble.”

例文3:以前に無理なお願いをしたので、今さらまた相談に行くのは敷居が高いです。

英語で意味を確認!

“Since I made an unreasonable request before, it’s hard for me to ask for their help again.”

「敷居が高い(しきいがたかい)」を使用する際の注意点

本来の意味として「敷居が高い(しきいがたかい)」は、「不義理や面目を失ったことが原因で、その人の家に行きにくい」というものです。つまり、相手に対して後ろめたさを感じる状況で使われる表現です。しかし、近年ではこの本来の意味から離れ、「気軽に近づけない」「心理的なハードルが高い」という意味で誤用されることが増えています。

≪誤った例文≫
×「あのレストランは高級すぎて敷居が高い。」
×「データ分析の分野は初心者には敷居が高い。」
×「部長に話しかけるのは敷居が高い。」

≪正しい例文≫
〇「先方に納期を守れなかったから、また会いに行くのは敷居が高い。」

徐々に誤用が広まり、一般的な言葉の意味として誤解されるようになっているため、適切な場面で使うことが大切です。

「敷居が高い(しきいがたかい)」の言い換え・類語

「敷居が高い(しきいがたかい)」の言い換え・類語としては、以下のようなものがあります。

門を塞ぐ(かどをふさぐ)

「門を塞ぐ(かどをふさぐ)」は、「不義理をしたために、その家へ行くことが恥ずかしくなる」という意味を持つ表現です。何らかの理由で他者に対して後ろめたい気持ちを抱え、その人のもとに行きにくくなる心理状態を表しています。「敷居が高い」と同様に、心理的なハードルや後ろめたさから、行動を起こすことが難しい状況を表す場合に使われます。

例文1:約束を破ってしまったことで、門を塞いでしまった。

英語で意味を確認!

“Breaking the promise has made it difficult for me to visit his house.”

例文2:長い間音信不通であったため、門を塞いだ状態になっている。

英語で意味を確認!

“Since I haven’t been in touch for so long, I feel too ashamed to contact him now.”

委縮する(いしゅくする)

「委縮する(いしゅくする)」は、恐怖や不安、緊張感から、自分の行動や発言が制限される状態を指します。ビジネスシーンでは、上司や取引先に対して圧倒され、思うように行動できない状況を表す際に使われます。

例文1:上司の強い叱責により、委縮してしまい、意見が言えなくなった。

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“Due to the boss’s harsh reprimand, I became so intimidated that I couldn’t express my opinion.”

例文2:大勢の前で発表することに委縮してしまい、声が震えた。

英語で意味を確認!

“I was so nervous presenting in front of a large audience that my voice trembled.”

頭が上がらない(あたまがあがらない)

「頭が上がらない(あたまがあがらない)」は、相手に対して深い感謝や負い目を感じ、自分が対等に振る舞えない状況を指します。恩義があったり、助けられたりした場合に使われます。

例文1:いつもサポートしてくれる彼女には、頭が上がらない。

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“I can’t hold my head up to her, as she always supports me.”

例文2:取引先には多大な恩を受けているので、頭が上がらない。

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“I am deeply indebted to the client, so I feel I can’t act on equal terms.”

気後れする(きおくれする)

「気後れする(きおくれする)」は、相手や状況に圧倒され、自分が行動や発言をためらってしまうことを指します。特に、自信を失ったり、場の雰囲気に圧倒されたりして、積極的に動けない場合に使われます。

例文1:初めての大規模な会議に参加して、少し気後れしてしまった。

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“I felt a bit intimidated attending a large-scale meeting for the first time.”

例文2:他のメンバーが経験豊富だったため、気後れして自分の意見を言えなかった。

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“I was hesitant to voice my opinion because the other members were so experienced.”

まとめ

「敷居が高い(しきいがたかい)」は、日本のビジネスシーンで、心理的な障壁や抵抗感を感じる状況で使われる表現です。正しく理解して使いこなせるように、ぜひ覚えておきましょう。