「瑕疵(かし)」とは、キズ・欠点・欠陥・不具合という意味を持っています。日本のビジネスシーンでは、不具合や欠陥、欠点や失敗などを表す言葉として使われ、「不動産やビジネス上の成果物が引渡や納品の前にすでに何らかの欠陥を抱えている状態」などを意味する言葉です。
この記事では、「瑕疵(かし)」の意味について、例文を交えながら詳しく解説します。言い換えや類語についても触れているので、ぜひ参考にしてください。

「瑕疵(かし)」の意味

「瑕疵(かし)」の基本的な意味

「瑕疵(かし)」は、不完全や欠陥を指す言葉です。
法律上の概念としての「瑕疵(かし)」は、民法、とりわけ不動産契約において頻出した単語です。人、あるいは法人格の持つ権利やものについて、法的に何かしらの欠陥がある状態を指しています。

英語では “defect” や “flaw”

と表現されます。

ビジネス用語では不具合ともいい、売買契約によって購入した商品などにキズがあることを意味します。
「瑕疵(かし)」は、契約関係や品質管理の場面でよく使われます。例えば、商品が欠陥品であることが明らかになった場合や、工事の完成度に問題があると判断された場合などで
す。
これらの場面において、「瑕疵(かし)」の存在は、契約の解除や損害賠償請求などの法的問題に発展する可能性があります。

「瑕疵(かし)」の具体的な使用例

以下に、「瑕疵(かし)」の具体的な使用例を紹介します。

例文1:「この商品は、購入時に説明されていた機能に瑕疵があり、使用することができません。」

英語で意味を確認!

“This product has a defect that prevents it from functioning as described at the time of purchase.”

例文2:「新築マンションに水漏れの瑕疵が見つかった。」

英語で意味を確認!

“A defect in the form of a water leak was found in the newly built condominium.”

例文3:「納品されたソフトウェアにバグの瑕疵があった。」

英語で意味を確認!

“The delivered software had bugs, indicating defects. ”

「瑕疵(かし)」を使用する際の注意点

「瑕疵(かし)」という言葉をビジネスシーンで使用する際には、以下の点に注意が必要です。

正確な使用:「瑕疵(かし)」は法律上、なんらかの欠点や欠陥のあることを指します。そのため、人的なミスや過ちを指す場合には適切ではありません。状況に応じて正確に使用しましょう。

受け取り方の違い:日本では「瑕疵(かし)」を含む言葉遣いは非常に慎重に行われることが多く、直接的な表現よりも間接的な表現を好む文化があります。そのため、「瑕疵(かし)がある」と直接指摘するよりも、問題点を婉曲に伝える方が良い場合があります。

瑕疵(かし)の言い換え・類語

「瑕疵(かし)」の言い換え表現や類語を以下に紹介します。

問題点(もんだいてん)

「問題点(もんだいてん)」という言葉は、「瑕疵(かし)」よりも幅広いシチュエーションで使用されます。これは、製品の欠陥や不備だけでなく、計画や提案、プロセスなどにおいても見つかる課題や改善すべき点を指すことができます。特にビジネスの文脈では、プロジェクトの実施において障害となる要因や、成果を阻害する可能性のある要素などを「問題点」と表現することがあります。

例文1:「新しいスマートフォンモデルのテスト中に、バッテリーの持続時間に関する問題点がいくつか見つかった。」

英語で意味を確認!

“While testing new smartphone models, we found some issues with battery life.”

例文2:「プロジェクトの進行にあたっては、まず現状の問題点を把握することが重要である。」

英語で意味を確認!

“When proceeding with a project, it is important to first understand the current problems.”

不具合(ふぐあい)

「不具合(ふぐあい)」は元々「具合がよくない」という程度の意味であり、問題の内容や原因を具体的に述べない、曖昧さを含む表現です。
「故障(こしょう)」や「欠陥(けっかん)」と意味が近いですが、より柔らかい言い回しとして「不具合(ふぐあい)」と言うことがあります。

例文1:「機械に不具合が生じて作業が大幅に遅れた。」

英語で意味を確認!

“There was a problem with the machine and the work was delayed significantly.”

例文2:「システムに不具合があるので修理を依頼した。」

英語で意味を確認!

“There was a problem with the system, so I requested it be repaired.”

欠陥(けっかん)

「欠陥(けっかん)」は、必要なものや本来備わっているべきものが、欠けているか足りていない状態のことを指します。設計や構造に不備もしくは問題があって生じた難点・欠点、しかも致命的・決定的な欠点、といったニュアンスを込めて用いられる傾向があります。

例文1:「彼の新しい理論は有望だったが,深刻な欠陥が一つあった。」

英語で意味を確認!

“His new theory was promising, but it had one serious flaw.”

例文2:「飛行前の検査では何の欠陥も見つからなかった。」

英語で意味を確認!

“No defects were found during pre-flight inspection.”

不備(ふび)

「不備(ふび)」は、必要なものが完全にはそろっていない、また、よく整っていないことを指します。

例文1:「契約書に不備がある。」

英語で意味を確認!

“There is a deficiency in the contract.”

例文2:「そのシステムには重大な不備がいくつかあった。」

英語で意味を確認!

“The system had some serious flaws.”

欠点(けってん)

「欠点(けってん)」は、不十分で補わなければならない箇所・不完全で、非難の対象となるような点を指します。

例文1:「もっと他人の欠点に寛大になるべきです。」

英語で意味を確認!

“We should be more tolerant of other people’s shortcomings.”

例文2:「この商品にはわずかな欠点がありますが、全体的には満足のいく品質です。」

英語で意味を確認!

“This product has some slight flaws, but overall the quality is satisfactory.”

まとめ

「瑕疵(かし)」は、日本のビジネスシーンでよく使われる重要な言葉であり、契約や品質管理において使用されることが多いです。さまざまな言い換え表現があり、それぞれ微妙なニュアンスの違いがあるので、状況に合わせて適切な表現を選ぶことが大切です。