日本のビジネスシーンでは、現実性や実用性に欠ける提案や議論に対して「机上の空論(きじょうのくうろん)」という言葉が使われます。

この記事では、「机上の空論(きじょうのくうろん)」の意味について、例文を交えながら詳しく解説します。言い換えや類語についても触れているので、ぜひ参考にしてください。

「机上の空論(きじょうのくうろん)」の意味

「机上の空論(きじょうのくうろん)」の基本的な意味

「机上の空論(きじょうのくうろん)」は、机の上で考えた理論や計画が、実際には役立たない、もしくは現実味がないことを指します。ビジネスの様々な場面で使われるので、覚えておくと便利です。

英語では “armchair theory” や “pie in the sky”

と表現されます。

机上の空論(きじょうのくうろん)の具体的な使用例

以下に、「机上の空論(きじょうのくうろん)」の具体的な使用例を紹介します。

例文1:この新規事業計画は、現実の市場ニーズを無視した机上の空論に過ぎない。

英語で意味を確認!

“This new business plan is nothing more than an armchair theory that ignores real market needs.”

例文2:彼の提案は机上の空論であり、実現するための具体的な手段が欠けている。

英語で意味を確認!

“His proposal is pie in the sky and lacks concrete means of implementation.”

例文3:そのマーケティング戦略は机上の空論ではなく、実際のデータに基づいているのでしょうか?

英語で意味を確認!

“Is that marketing strategy based on real data, or is it just an armchair theory?”

「机上の空論(きじょうのくうろん)」を使用する際の注意点

「机上の空論(きじょうのくうろん)」の類義語として「砂上の楼閣(さじょうのろうかく)」という言葉があります。どちらも実現が困難なことを意味するため、混同されることが多いですが、これらの言葉には微妙なニュアンスの違いがあり、それぞれ適切な場面で使うことが重要です。

机上の空論(きじょうのくろん)

「机上の空論(きじょうのくろん)」は、理論上は正しいが、実際には役に立たない理論や計画を指します。

例文:「その新しいアイデアは素晴らしいが、実行可能性が低いため机上の空論に過ぎない。」

砂上の楼閣(さじょうのろうかく)

「楼閣(ろうかく)」とは、高層の立派な建物を指します。つまり「砂上の楼閣(さじょうのろうかく)」は、砂の上に建てられた高層の立派な建物のことを表現しており、外見は立派に見えても計画や構造や基礎がしっかりしていないために実現不可能であったり、長続きしない計画や構造を指します。

例文:「そのプロジェクトの基盤が不十分であり、砂上の楼閣と言わざるを得ない。」

どちらも実現性が低いという点では共通していますが、「机上の空論(きじょうのくうろん)」は、実現不可能な考えや計画を指すのに対して、「砂上の楼閣(さじょうのろうかく)」は、表面的には立派に見えるものの足元が不安定ですぐに崩れそうな様子を指します。
ビジネスシーンでこれらの言葉を使う際には、文脈やニュアンスをしっかりと理解し、適切に使い分けることが重要です。

「机上の空論(きじょうのくうろん)」の言い換え・類語

「机上の空論(きじょうのくうろん)」の言い換え表現や類語を以下に紹介します。

紙上に兵を談ず(しじょうにへいをだんず)

「紙上に兵を談ず(しじょうにへいをだんず)」は、紙の上で戦術の議論をするという意味で、実際の状況を無視して、理論や計画だけを論じることを指します。特に、現実の問題に対して具体的な行動を伴わない議論や計画が無意味であることを強調する表現です。

例文1:我々が今やるべきことは、紙上に兵を談ずることではなく、現場での実行可能なプランを策定することです。

英語で意味を確認!

”What we need to do now is not just theorize on paper, but develop actionable plans for the field.”

例文2:紙上に兵を談ずるだけでは、プロジェクトは前に進みません。

英語で意味を確認!

“Merely discussing strategies on paper won’t move the project forward.”

絵に描いた餅(えにかいたもち)

「絵に描いた餅(えにかいたもち)」は、見た目は良いが、実際には何の役にも立たない計画や理論を指します。実現性がなく、ただの空想や理想論に過ぎないことを意味します。

例文1:このプランは絵に描いた餅で、実行可能性が全く考慮されていない。

英語で意味を確認!

“This plan is just a pie in the sky, with no consideration of feasibility.”

例文2:彼の提案は理想的だが、現実的には絵に描いた餅に過ぎない。

英語で意味を確認!

“His proposal is ideal, but in reality, it’s nothing more than a pipe dream.”

空理空論(くうりくうろん)

「空理空論(くうりくうろん)」は、現実性を欠いた理論や議論を意味します。実際の行動や結果を伴わない、ただの理屈や仮説に過ぎないことを表現します。

例文1:会議では空理空論に終始せず、具体的な解決策を議論すべきです。

英語で意味を確認!

“The meeting should focus on concrete solutions, rather than empty theories.”

例文2:空理空論ばかりでは、ビジネスの成功は望めません。

英語で意味を確認!

“Success in business cannot be achieved with mere empty theories.”

捕らぬ狸の皮算用(とらぬたぬきのかわざんよう)

「捕らぬ狸の皮算用(とらぬたぬきのかわざんよう)」は、まだ捕まえてもいない狸の皮を売ったと考え、儲けの計算をすることを表現しており、まだ手に入れていないものを前提に計画を立てたり、結果が確定していないことに基づいて期待を膨らませることを指します。実際に成果が得られる前に、先走って期待や計画を立てることに対して警告を示す言葉です。

例文1:まだ契約が成立していないのに、その収益を当てにするのは捕らぬ狸の皮算用です。

英語で意味を確認!

“It is premature to count on the revenue from a contract that hasn’t been signed yet—it’s like counting chickens before they hatch.”

例文2:新しいプロジェクトの利益をすでに計算に入れているが、今は捕らぬ狸の皮算用に過ぎない。

英語で意味を確認!

“They are already factoring in the profits from the new project, but it’s nothing more than wishful thinking at this point.”

まとめ

「机上の空論(きじょうのくうろん)」は、日本のビジネスシーンで重要な言葉であり、意思決定や計画策定において使用されることが多いです。正しく理解して使いこなせるように、ぜひ覚えておきましょう。