「恣意的(しいてき)」は、日常で使われる際は「勝手気まま」という意味合いで使われることが多いですが、「論理的な必然性がないさま」という意味もあります。
日本のビジネスシーンでは、客観的な基準や論理に基づかずに判断や決定を行うことを批判するときに、「恣意的(しいてき)」という言葉が使われます。

この記事では、「恣意的(しいてき)」の意味について、例文を交えながら詳しく解説します。言い換えや類語についても触れているので、ぜひ参考にしてください。

「恣意的(しいてき)」の意味

「恣意的(しいてき)」の基本的な意味

「恣意的(しいてき)」は、「自分の勝手な都合で決めたり、行ったりする様子」を表す言葉です。客観的な理由や根拠に基づかず、感情や思い付きで行動するような場合に使われます。

英語では “arbitrary”

と表現されます。

「恣意的(しいてき)」がよく使われる場面

「恣意的(しいてき)」がよく使われる場面は、以下のとおりです。

  • 会社の意思決定プロセスで、公平性を欠いた判断が行われる場合
  • 法的な文書や契約書で、特定の条件が一方的に変更される場合

「恣意的(しいてき)」の具体的な使用例

以下に、「恣意的(しいてき)」の具体的な使用例を紹介します。

例文1:上司は恣意的にプロジェクトの方針を変更した。

英語で意味を確認!

“The boss arbitrarily changed the direction of the project.”

例文2:彼の意見は恣意的なもので、客観的な視点を欠いている。

英語で意味を確認!

“His opinions are arbitrary and lack an objective perspective.”

例文3:その政策は恣意的な決定に基づいているため、多くの人々からの批判を受けている。

英語で意味を確認!

“The policy is based on arbitrary decisions and has received criticism from many people.”

「恣意的(しいてき)」を使用する際の注意点

ビジネスシーンにおいて「恣意的(しいてき)」という表現は、不公平な判断や偏った意思決定を批判するときに使われることが多く、相手を批判する意味合いを持つ言葉なので、使用する際には注意が必要です。

「恣意的(しいてき)」の言い換え・類語

「恣意的(しいてき)」の言い換え表現や類語を以下に紹介します。

独断的(どくだんてき)

「独断的(どくだんてき)」は、深く吟味しないで、一方的に決定するという意味を持ち、批判的なニュアンスを含む表現です。

例文1:上司の判断は独断的で、部下からは不満が出ている。

英語で意味を確認!

“The superior’s decisions are arbitrary, and subordinates are dissatisfied.”

例文2:政府の独断的な政策変更によって、多くの企業が打撃を受けた。

英語で意味を確認!

“Many companies were hurt by the government’s arbitrary policy changes.”

例文3:その会社は独断的な経営方針を進めている。

英語で意味を確認!

“The company is pursuing an arbitrary management policy.”

独善的(どくぜんてき)

「独善的(どくぜんてき)」は、他人のことはかまわないで、自分だけが正しいと考える様子を表します。

例文1:彼女は自分が正しいと独善的な態度で主張した。

英語で意味を確認!

“She self-righteously insisted that she was right.”

例文2:彼は、仕事に対しては非常に真面目であるが、行動は独善的である。

英語で意味を確認!

“He is very serious about his work, but his actions are self-righteous.”

例文3:社長は独善的な経営方針を押し通し、社員の意見を全く聞いてくれなかった。

英語で意味を確認!

“The president pushed through his self-righteous management policy and did not listen to the opinions of employees at all.”

主観的(しゅかんてき)

「主観的(しゅかんてき)」は、主観による価値を第一に重んじ、自分ひとりの考えや感じ方にかたよる態度のことを表します。

例文1:評価は客観的な基準で行うべきであって、主観的な判断は避けるべきだ。

英語で意味を確認!

“Evaluations should be made using objective standards, and subjective judgments should be avoided.”

例文2:主観的な意見ばかりを主張すると、議論が平行線をたどってしまう。

英語で意味を確認!

“If you insist only on subjective opinions, the discussion will follow parallel lines.”

例文3:世論調査の結果はあくまでも主観的なものであり、実際の状況を反映しているとは限らない。

英語で意味を確認!

“Opinion poll results are subjective and may not necessarily reflect the actual situation.”

不公平(ふこうへい)

「不公平(ふこうへい)」は、客観的な基準やルールに基づいていない、かたよりがある状況を表します。

例文1:不公平な人事評価は、社員の士気を低下させる。

英語で意味を確認!

“Unfair personnel evaluations lower employee morale.”

例文2:不公平な扱いを受けた場合は、声を上げることが大切だ。

英語で意味を確認!

“If you have been treated unfairly, it is important to speak up.”

例文3:テストの結果は不公平な採点基準に基づいており、真の実力を反映していない。

英語で意味を確認!

“Test results are based on unfair scoring criteria and do not reflect true ability.”

まとめ

「恣意的(しいてき)」は、自己の意志や判断に基づいて行動する様子を表し、ネガティブなニュアンスで用いられやすいため、注意が必要です。
ビジネスシーンにおいて、使い方を間違えると相手に誤解を与えてしまう可能性がありますので、正しく理解して使いましょう。