日本のビジネスシーンでは、「当方(とうほう)」は、特にメールで自分の立場を示すために使われます。

この記事では、「当方(とうほう)」の意味について、例文を交えながら詳しく解説します。言い換えや類語についても触れているので、ぜひ参考にしてください。

「当方(とうほう)」の意味

「当方(とうほう)」の基本的な意味

「当方(とうほう)」は、自分の属している方、自分の方、こちらを意味する表現で、ビジネスなど、比較的改まった場で使用されます。

英語では “we” や “our side”

と表現されます。

「当方(とうほう)」の具体的な使用例

以下に、「当方(とうほう)」の具体的な使用例を紹介します。

例文1:当方の提案をご検討いただけますでしょうか。

英語で意味を確認!

“Could you please consider our proposal?”

例文2:当方では現在、新製品の開発を進めております。

英語で意味を確認!

“We are currently working on developing a new product.”

例文3:何かご不明点がございましたら、当方までご連絡ください。

英語で意味を確認!

“If you have any questions, please contact us.”

「当方(とうほう)」を使用する際の注意点

「当方(とうほう)」は、個人ではなく組織の立場を示す際に使う言葉で、個人の考えや意見などを述べるときに使うのは誤りです。個人的考えや意見を述べるときに「当方」を使うと、その見解はその人個人のものではなく組織全体の考えや意見と捉えられてしまい、誤解を生む可能性があります。個人の考えや意見を述べるときは、「私」という表現を用いるようにしましょう。

また「当方(とうほう)」は、ほかの組織や団体に対しての自分たちが属している組織(会社)を意味するため、取引先や顧客に向けて使う分には問題ありませんが、社内に向けて使うのは誤りです。社内のメンバーに向けて使う際は、「私ども」や「当社(とうしゃ)」といった表現が正しいです。

一方、「当方(とうほう)」は社外に対して使える言葉ですが、契約書などの正式なビジネス文章には使わない表現です。「当方」は、相手先とのメールや会話の中で使われる言葉であり、ビジネス文書で自社の立場を示す場合は、「弊社(へいしゃ)」や「当社(とうしゃ)」を使用することが一般的です。

「当方(とうほう)」の言い換え・類語

「当方(とうほう)」の言い換え表現や類語を以下に紹介します。

弊社(へいしゃ)

「弊社(へいしゃ)」は、自分の会社をへりくだって謙虚に表現する言葉です。
ビジネスシーンでは、取引先や顧客など社外の人に対して使われます。

例文1:弊社のサービスをご利用いただき、ありがとうございます。

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“Thank you for using our company’s services.”

例文2:弊社の製品についてご質問があれば、お気軽にお問い合わせください。

英語で意味を確認!

“If you have any questions about our products, please feel free to contact us.”

私ども(わたくしども)

「私ども(わたくしども)」は、自分、または自分の家族・集団などをへりくだって表現する言葉です。ビジネスシーンでは、取引先や顧客など社外の人に対して使われます。

例文1:先日は、私どもの社員がご迷惑をおかけし、大変申し訳ございませんでした。

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“We sincerely apologize for any inconvenience our employee may have caused the other day.”

例文2:私どもの事務所スタッフの業務をご紹介致します。

英語で意味を確認!

“I would like to introduce the duties of our office staff.”

自社(じしゃ)

「自社(じしゃ)」は、自分の会社、自分の勤めている会社のことを指します。ビジネスシーンでは、社内の会議で近しい人間同士の間で使用します。

例文1:このサービスは自社特有の技術が施されています。

英語で意味を確認!

“This service utilizes our company’s unique technology.”

例文2:自社は環境に優しい製品を開発しています。

英語で意味を確認!

“Our company develops eco-friendly products.”

当社(とうしゃ)

「当社(とうしゃ)」は、自分の会社、という意味で用いられる表現です。類似表現である「弊社」はへりくだった表現であるのに対して、「当社」の場合は、特に謙譲の意味合いは含まれずに用いられます。

例文1:当社のサービスは多岐にわたります。

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“Our services are diverse.”

例文2:当社は常にお客様のニーズに応えるよう努めています。

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“Our company always strives to meet customer needs.”

まとめ

「当方(とうほう)」は、日本のビジネスシーンで自分の立場を丁寧に表現するために使われる言葉です。さまざまな言い換え表現があり、それぞれ微妙なニュアンスの違いがあるため、状況に合わせて適切な表現を選ぶことが大切です。

日本のビジネスシーンでは、さまざまな用語や表現が使用されます。多くの用語を理解しておくことで、コミュニケーションがよりスムーズになるでしょう。
ここでは、日本のビジネスシーンで使える用語をもう一つ、類語と併せて紹介します。

善処します(ぜんしょします)とは

善処します(ぜんしょします)は、「最善の方法で処理します」という意味です。ビジネスにおいては、相手からの要望や指摘に対し、現時点では即答が難しいものの、できるだけ良い対応策を検討する意向を示すために使います。

善処します(ぜんしょします)の言い換え・類語を紹介

善処します(ぜんしょします)の言い換え・類語としては、以下のようなものがあります。

検討いたします(けんとういたします)

善処します(ぜんしょします)の類語として、「検討いたします(けんとういたします)」があります。これは、物事について詳しく調べたり、考えたりすることを意味します。ビジネスシーンでは、提案や依頼に対して即答を避け、慎重に判断する姿勢を示すときに用いられます。この表現により、相手に対して敬意を持って真剣に考慮する意図を伝えることができます。

協議いたします(きょうぎいたします)

「協議いたします(きょうぎいたします)」は、関係者が集まり、意見を出し合って議論し、最善の結論や解決策を見つけるために使われます。こちらも善処します(ぜんしょします)の類語の一つですが、ビジネスシーンでは、複数の部署や関係者と一緒に問題解決や意思決定を行う際に用いられる表現です。これは慎重に物事を進める姿勢を示します。

以下の記事では、善処します(ぜんしょします)についてより詳細に解説しています。興味のある方はぜひ参考にしてください。

善処します(ぜんしょします)の用語を知る