「当該(とうがい)」は、ビジネスや法律関連の文章で使われることが多く、曖昧さを避けて、より正確な表現にするために使われる語句です。
この記事では、「当該(とうがい)」の意味について、例文を交えながら詳しく解説します。言い換えや類語についても触れているので、ぜひ参考にしてください。
「当該(とうがい)」の意味
「当該(とうがい)」の基本的な意味
「当該(とうがい)」は、今話をしていて話題になっていること、もしくはその話題に関連することを表し、特定の事項や物事を指すために用いられる表現です。具体的な対象が明確になっている場合や、既に話題に上がっている事項を指す際に使用されます。
英語では ”relevant” や “said”
と表現されます。
「当該(とうがい)」の具体的な使用例
以下に、「当該(とうがい)」の具体的な使用例を紹介します。
例文1:当該契約書の第5条に基づき、納品期限を延長することができます。
英語で意味を確認!
“Based on Article 5 of the relevant contract, the delivery deadline can be extended.”
例文2:当該データに基づいて、新しいマーケティング戦略を策定しました。
英語で意味を確認!
“A new marketing strategy was formulated based on the relevant data.”
例文3:当該案件については、来週の会議で詳細を説明いたします。
英語で意味を確認!
“Details regarding the relevant case will be explained in next week’s meeting.”
「当該(とうがい)」を使用する際の注意点
「当該(とうがい)」と混同されやすい語句に「該当(がいとう)」があります。どちらも契約書を交わす際やオフィシャルな場面ではよく出てくる表現ですが、意味と使い方に違いがあるため、注意が必要です。
「当該(とうがい)」は、特定の事柄に関することを指し、文書や会話の中で、すでに話題にあがっている事項について言及する際に使用します。
( 例:「当該契約書」「当該データ」 )
それに対して「該当(がいとう)」は、ある一定の条件や基準に当てはまることを指し、何かが特定の基準に一致するかどうかを確認する際に使用します。
( 例:「該当するデータ」「該当する案件」 )
日常会話の中ではあまり使わない言葉ですが、文章表現としてはよく使われる表現ですので、これらの違いを理解して、適切に使い分けることがビジネスコミュニケーションにおいて重要です。
「当該(とうがい)」の言い換え・類語
「当該(とうがい)」の言い換え表現や類語を以下に紹介します。
この
「この」は、話し手の近くにある物事や、話題の中で直近に言及されたものを指す代名詞です。
例文1:この報告書は、明日の会議で使用する予定です。
英語で意味を確認!
”This report is planned to be used in tomorrow’s meeting.”
例文2:この資料をもとに、次のプレゼンテーションを作成してください。
英語で意味を確認!
“Please create the next presentation based on this material.”
その
「その」は、特定の物事や人物を指す代名詞で、話し手と聞き手の間で共通認識がある場合に使用されます。
例文1:そのプロジェクトについて、もう一度詳細を教えていただけますか?
英語で意味を確認!
“Can you please provide more details about that project again?”
例文2:その件に関しては、上司に報告する必要があります。
英語で意味を確認!
“We need to report that matter to our superior.”
件の(くだんの)
「件の(くだんの)」は、既に話題に上ったり、言及された物事や人物を指す表現です。
例文1:くだんの件について、進捗状況を教えてください。
英語で意味を確認!
“Please update me on the progress of the aforementioned matter.”
例文2:先日の会議で話し合ったくだんのプロジェクトが承認されました。
英語で意味を確認!
“The project discussed in the previous meeting has been approved.”
本(ほん)
「本(ほん)」は、今、現に問題にしているもの、当面のものであることを表す言葉です。
例文1:本件について、再度確認させていただきます。
英語で意味を確認!
“I would like to confirm this matter again.”
例文2:本プロジェクトの詳細は、別途お知らせいたします。
英語で意味を確認!
“Details of this project will be announced separately.”
当(とう)
「当(とう)」は、ちょうどその時の問題の対象になっていることを表す言葉です。
例文1:当案件は、現在調査中です。
英語で意味を確認!
“This case is currently under investigation.”
例文2:当部署では、新しいシステムの導入を検討しています。
英語で意味を確認!
“Our department is considering the implementation of a new system.”
まとめ
「当該(とうがい)」は、日本のビジネスシーンにおいて多く使われる言葉です。かしこまった場面で使うことが多い言葉なので、正しく理解して、ビジネスメールや公式文書で活用しましょう。
日本のビジネスシーンでは、さまざまな用語や表現が使用されます。多くの用語を理解しておくことで、コミュニケーションがよりスムーズになるでしょう。
ここでは、日本のビジネスシーンで使える用語をもう一つ、類語と併せて紹介します。
備忘録(びぼうろく)とは
備忘録(びぼうろく)は、忘れないように記録しておくためのメモやノートを指す言葉です。日本のビジネスシーンでは、会議やプロジェクトで重要なポイントやタスクを後で確認するために使用されます。
備忘録(びぼうろく)の言い換え・類語を紹介
備忘録(びぼうろく)の言い換え・類語としては、以下のようなものがあります。
記録(きろく)
備忘録の類語として、「記録(きろく)」があります。これは、出来事や情報を後から参照できるように、書き留めたり保存したりすることを指します。ビジネスでは、会議やプロジェクトの進捗状況、取引内容などを詳細に残す場合に使われます。
手控え(てびかえ)
「手控え(てびかえ)」は、手元に控えとして書き留めておくものを指します。特に、重要な情報や忘れてはいけないことを記しておく際に使われる表現です。こちらも備忘録の類語の一つですが、ビジネスシーンでは、自分のために必要な情報を簡潔にメモする行為として使われます。
以下の記事では、備忘録についてより詳細に解説しています。興味のある方はぜひ参考にしてください。