日本のビジネスシーンでは、調査報告書や会議資料などに「所見(しょけん)」として担当者の意見や見解が記載されることがよくあります。

この記事では、「所見(しょけん)」の意味について、例文を交えながら詳しく解説します。言い換えや類語についても触れているので、ぜひ参考にしてください。

「所見(しょけん)」の意味

「所見(しょけん)」の基本的な意味

「所見(しょけん)」には、「ある事象に対する客観的な判断や意見」と「見た事柄そのもの」の2つの意味があり、使用される場面や文脈によって意味が異なります。ビジネスシーンでは、分析や調査の結果に基づいて作成された意見や評価を指す言葉として頻繁に使われます。

英語では “findings” や “observations”

と表現されます。

「所見(しょけん)」がよく使われる場面

「所見(しょけん)」がよく使われる場面は、以下のとおりです。

  • 調査やデータ分析を行った結果に基づき、報告書を作成して自分の意見を述べるとき
  • 会議やプロジェクトの進捗に関する意見を述べるとき
  • 従業員のパフォーマンス評価やフィードバックの一部として行う評価面談のとき

所見(しょけん)の具体的な使用例

以下に、「所見(しょけん)」の具体的な使用例を紹介します。

例文1:市場調査の結果、消費者の嗜好に関する重要な所見がいくつか得られました。

英語で意味を確認!

“We have obtained several key findings regarding consumer preferences from the market research.”

例文2:このプロジェクトに関する所見は、スケジュールの見直しが必要であるということです。

英語で意味を確認!

“My observation regarding this project is that the schedule needs to be revised.”

例文3:面談を通して、従業員のモチベーションに関する所見をまとめました。

英語で意味を確認!

“I have summarized my observations on employee motivation through the interviews.”

「所見(しょけん)」を使用する際の注意点

「所見(しょけん)」と混同しやすい言葉に、「所感(しょかん)」や「初見(しょけん)」という言葉があります。これらの言葉は、似ているようですが、それぞれ異なる意味を持ちます。

所見(しょけん)

「所見(しょけん)」は、主観的な感情や意見ではなく、事実やデータに基づいて行った分析や考察の結果得られた意見や判断のことです。特に、医師の診断書や調査報告書で使われることが多いです。

≪例文≫
「レントゲンの所見では、骨に異常が見つかりました。」
「この資料に関する所見をまとめて、報告してください。」

所感(しょかん)

「所感(しょかん)」は、見たり聞いたりしたことに対しての感想や印象を表します。映画を見た後や本を読んだ後の感想など、主観的な感想や思いを伝える場面で使われることが多いです。

≪例文≫
「本日の会議に参加して、率直な所感を述べさせていただきます。」
「今回のプロジェクトを通しての所感として、チームワークの重要性を再認識しました。」

※「所感」についてより詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。

所感(しょかん)とは?日本のビジネスシーンで使える用語解説

本記事では、日本のビジネスシーンで使えるビジネス用語「所感(しょかん)」について、その意味や使われる場面、具体的な例を紹介します。

所感(しょかん)とは?日本のビジネスシーンで使える用語解説

初見(しょけん)

「初見(しょけん)」は、何かを初めて見たり、経験したりすることを指します。初めて対面した際の印象や、初めて見る物事に対して使われることが多いです。

≪例文≫
「彼とは初見での打ち合わせでしたが、とても印象が良かったです。」
「この文書は初見ですが、分かりやすくまとめられています。」

客観的な意見を述べたい場合には、「所見(しょけん)」、個人的な感想を述べたい場合には、「所感(しょかん)」、初めて経験したことを表したい場合には、「初見(しょけん)」を使うとよいでしょう。それぞれ、使われる場面やニュアンスが異なるため、状況に応じて適切に使い分けることが重要です。

「所見(しょけん)」の言い換え・類語

「所見(しょけん)」の言い換え・類語としては、以下のようなものがあります。

考察(こうさつ)

「考察(こうさつ)」は、ある事柄や現象について、深く考え、分析し、結論を導き出すことを指します。何かを理解しようとする際に、さまざまな角度から検討し、その結果をまとめる行為です。

例文1:今回の市場動向について、徹底的に考察した結果、新しい戦略が必要だと判断しました。

英語で意味を確認!

“After thoroughly examining the current market trends, we concluded that a new strategy is necessary.”

例文2:この問題に対する考察をまとめたレポートを提出してください。

英語で意味を確認!

“Please submit a report summarizing your analysis of this issue.”

見解(けんかい)

「見解(けんかい)」は、ある事柄についての考えや意見、特に個人や組織が公式に示す立場や見方を指します。特定の状況や事象に対する判断を表明する際によく使われます。

例文1:この問題に関する会社の見解を示す必要があります。

英語で意味を確認!

“We need to present the company’s official stance on this issue.”

例文2:あなたの見解を伺いたいのですが、このプロジェクトにどのように取り組むべきだと思いますか?

英語で意味を確認!

“I would like to hear your perspective on how we should approach this project.”

意見(いけん)

「意見(いけん)」は、特定の問題や状況に対する個人の考えや主張を指します。意見は主観的なもので、他者との議論や対話の中で表現されることが多いです。

例文1:この件に関するあなたの意見をぜひお聞かせください。

英語で意味を確認!

“I would appreciate hearing your opinion on this matter.”

例文2:会議では全員が自由に意見を述べることが求められます。

英語で意味を確認!

“Everyone is expected to freely express their opinions during the meeting.”

主観(しゅかん)

「主観(しゅかん)」は、個人の感情や感覚に基づく見方や考え方を指します。客観的な事実に対して、個人の経験や価値観が影響を与えることが特徴です。

例文1:この評価は主観的なものであり、個人差があるかもしれません。

英語で意味を確認!

“This evaluation is subjective, and there may be individual differences.”

例文2:彼の主観に基づいた意見には、賛成しかねます。

英語で意味を確認!

“I cannot agree with his opinion, as it is based on his subjective view.”

判断(はんだん)

「判断(はんだん)」は、情報や状況を分析し、最も適切な行動や結論を決定することを指します。客観的なデータや経験に基づいて行われることが多いです。

例文1:上司はこの状況を見て、すぐに対策を講じる判断をしました。

英語で意味を確認!

“My supervisor assessed the situation and immediately decided on a course of action.”

例文2:適切な判断ができるよう、もう少し情報を集めるべきです。

英語で意味を確認!

“We should gather more information to ensure we make the right decision.”

まとめ

「所見(しょけん)」は、日本のビジネスシーンで重要な言葉であり、観察や分析結果に基づく意見や評価を表現する際に用いられます。正しく理解して使いこなせるように、ぜひ覚えておきましょう。